2006年02月05日

I'm here(アイム ヒア)002

塩を振って遠火にあぶった魚が香ばしい匂いを放っている。
廃材とブルーシートで作ったマイホームに換気扇はない。軒先での調理である。
少年は私の「家」にカセットコンロや鍋があることに驚いたようだった。
だが、どれも拾いものである。

獲物はエラを取り、腹を抜いてある。口を貫き背びれまで通した串に脂がしみついている。
私は、魚に火が通っているのを見てとると少年に串を渡した。
「旨いぞ」
私は促した。
少年は背びれのあたりにかぶりついた。
いい食べっぷりである。




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「で学校は」
あらためて少年を眺めた。
身長は140センチ位、小学校高学年と言うところか。
「今日……日曜日で」
「なるほど……」
私は肩透かしを食った。
こんな生活をしていると曜日の感覚がなくなってくるのだ。
「何年生だ」
「6年……」
「名前は? あいや、何て呼べばいいのかな」
少年は少し考えてから「龍治」と名乗った。

「で?」
私はいくらか尋問調になっているのに気づきながらも続けた。
どうにも人とうまく接することができない。
「…楽しいか、学校は」
父親でもなく、初対面の子供に言うセリフでもないと思うが、あいにく気の利いたトークもできない。
「楽しいけれど、最近ちょっと困ったことがあったんだ」
「ふん」
私は2本目の串を勧めたが少年は手を振った。
川魚は口に合わなかったか。
「女の子が。クラスメートの子が指輪を傷めちゃったんだ」
私はあやうくむせて魚を吐き出すところだった。
近頃の子供は指輪を持ち歩いているのか。

少年は察したようだった。
「違うんだ。いつも指輪をしているわけじゃないんだ。誕生日に買ってもらったシルバーのアクセサリーが、誰かに傷つけられてしまって」

ちょっとした事件が起きたのは先週の金曜日の放課後のことだったと言う。
クラスでもちょっとオシャレでカワイイ子が机に伏して泣いていたのだ。
気になった友達が話を聞いてみると、誕生日に買ってもらった銀の指輪が傷ついていたと言う。

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その一方で、さっきまでの落ち込みがウソのように元気になって、立ち直れることがありますよね。
人は、どんなきっかけで元気になれるのでしょうか。
普段、気にもとめないような「元気のみなもと」を追求していけば、元気になれそうな気がしませんか。

元気になるには、人それぞれのコツがあるのです。
みんなの「元気になるコツ」をみんなが知ることができたら、へこんだ時でも元気なれそうな気がしませんか。
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縁あってこのサイトを訪問して下さった皆様が元気になれますように、そうして私自身が元気になるために、「元気になるコツ」をご紹介していきます。
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