2006年02月17日

I'm here(アイム ヒア)005

「仮の話だが、彼女は教室に入るまで指輪の異変に気づかなかった。気づいたのは多分、机についてからだろう。なら、筆箱は机の上か中にあったはずだ」
龍治は私を促すように見つめた。
「そうして、仮の話だが、リュウが指輪に無関係だとしたら、すでにその時、つまり彼女が席についた時点で指輪は傷んでいたことになるね」
龍治は釈然としないようだがうなずいた。



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「彼女は、どこに行っていたのだろう。大切な指輪が入った筆箱を置いて……」
「……」
「他に何か気づいたことはあるかね」
龍治は遠い目をした。
「そう言えば、手に包帯をしていたんだ」
「包帯か……」
私は少し考えた。
「目立つほど大きく巻いていたのかね」
「そうじゃなくて、他の友達が騒いだ時に彼女に『どこへ行っていたの』とか聞いていたから」
「彼女は何て答えたんだね」
「確か……保健室だって」
「ふん」
あまりにバカバカしい気がした。

「彼女のペンケースはどんな形をしているのかな」
龍治はキョトンとした。
「例えば、缶ペンとかプラスティックとかビニールとか、いろいろあるだろう」
「えっと……皮なのかな。上品なペンケースです。ファスナーがついた」
「指輪はそのペンケースに入れていた?」
「多分……」
「なるほど」
「何か分かったの」
「いや」
龍治は目に見えて落胆した。
「明日、学校へ行ったら彼女のペンケースを見せてもらいたまえ。内側をよく観察するんだ。穴やキズがないかね」
「断られたら」
「彼女は断らない」
「どうして?」
「指輪を傷つけた犯人が分かるかも、とでも言ってごらん。断る理由がない。それでダメならまた考えるさ」
龍治は思案するように、目を落とし、そして決断するように顔を上げた。
「また来ます」
「ああ」
私は応じた。
デキレースだ。
私の推測どおりなら、カレはまたやってくる。
そうして、今度こそ本題を切り出すハズだ。
私は2本目の串に手を出した。

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私たちは、日常のちょっとしたことが原因で、落ち込んだり悲しくなったりします。
その一方で、さっきまでの落ち込みがウソのように元気になって、立ち直れることがありますよね。
人は、どんなきっかけで元気になれるのでしょうか。
普段、気にもとめないような「元気のみなもと」を追求していけば、元気になれそうな気がしませんか。

元気になるには、人それぞれのコツがあるのです。
みんなの「元気になるコツ」をみんなが知ることができたら、へこんだ時でも元気なれそうな気がしませんか。
1%の元気しかなくても「元気のコツ」を使って100個の元気を集めたら、元気100%になれるでしょう。

縁あってこのサイトを訪問して下さった皆様が元気になれますように、そうして私自身が元気になるために、「元気になるコツ」をご紹介していきます。
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