2006年03月05日

I'm here(アイム ヒア)008

浮浪者ごときの戯言(ざれごと)など警察は信用しないと暗に言っているのだ。
金は頂いて、体よく追い払うつもりだったが、そうはいかないようだ。
「何があったのか言ってみろ」
子供から騙し取った金で飲んだ酒では寝覚めが悪い。
聞くだけならば、労を伴うわけではない。
私は観念して先を促した。




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私は「行商用」の自転車でフラフラと住宅街を漕ぎめぐった。
社会人として生きていくのも強さが必要だが、ホームレスもタフさが必要である。
私のような生業(なりわい)をしていると、外を歩くのも注意がいる。
後ろ指をさされるのには慣れたが、ボヤボヤしていると不審者として警察に通報されてしまう。

職務質問はもっとやっかいだ。何せ身分を証明するものはないし、保証人もいない。
ヘタをすれば連行されホームレスとしての記録を取られてしまう。
まあ、これが身分証明みたいなものになるのだが警察で調書を取られるのは気分が良くない。
私はホームレスとしてのキャリアは浅いが、裏事情には詳しい。
警察とゴタゴタは起こしたくない。
本来ならリスクを犯してまで街中をうろつくことはしないが、貴重な現金収入の機会を失いたくなかった。
そして、もう一つ。
私は少年の力になりたかったのかもしれなかった。


「で、リュウの家はどこなんだ」
「あそこだよ」
龍治は対岸の家の一つを指した。
私の家がある河原は一級河川である。
河の中流から上流に位置している。
川幅は狭いが、河原自体は100メートル以上ある。
驚いたことに龍治の家は、私の家のほぼ正面にあった。
木造のありふれた二階建てである。
土手の向こうに二階部分のリビングがよく見える。
「まる見えだな」
「うん」
龍治の返事はどちらの「家」が丸見えなのか、よく分からなかった。
「つけられてないだろうな」
私は真っ先にそれが気になった。
龍治が言う不審者が事実なら尾行されるのはマズい。
「大丈夫だよ」
「なぜ分かる?」
「まいたもの」

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「元気まぐ」とは
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私たちは、日常のちょっとしたことが原因で、落ち込んだり悲しくなったりします。
その一方で、さっきまでの落ち込みがウソのように元気になって、立ち直れることがありますよね。
人は、どんなきっかけで元気になれるのでしょうか。
普段、気にもとめないような「元気のみなもと」を追求していけば、元気になれそうな気がしませんか。

元気になるには、人それぞれのコツがあるのです。
みんなの「元気になるコツ」をみんなが知ることができたら、へこんだ時でも元気なれそうな気がしませんか。
1%の元気しかなくても「元気のコツ」を使って100個の元気を集めたら、元気100%になれるでしょう。

縁あってこのサイトを訪問して下さった皆様が元気になれますように、そうして私自身が元気になるために、「元気になるコツ」をご紹介していきます。
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