2006年04月05日

I'm here(アイム ヒア)012

「……」
「もう一つ。私が『元刑事』として今でも使える人間か試したのさ」
「なぜ?」
「君を助ける能力がある人間か見極めるためだ」
「どうしてウソだと思ったの?」

話としては全体的にできすぎだった。
少女が指輪の異変に気づくとヤジウマが急に現れたり、都合よく龍治が犯人にでっちあげられたり……。
だが、決定的だったのは指輪の破片がペンケースに突き刺さっていたことだった。
推理小説としては成り立つかもしれないが、現実にはありえない展開だった。

「どうして?」
「誕生日に買ってもらった大切な指輪だ。そんなふうに扱うだろうか」

それがどうしても引っかかった。
大切な指輪をエンピツやペン、ケシゴムが入ったペンケースにむき出しのまま入れておくだろうか。
小さなケースとかティッシュにくるむなりするのが自然なのではないか。
ではなぜ「彼女」はそうしなかったのか。
もちろん、ケースやティッシュにくるんでいれば傷つくことはない。
「傷つけるためには」むき出しの状態のままペンケースに入れておく必要があるのだ。
事実を整理すれば小さな疑問に気づくような注意力をもった人間なら、刑事として適性があるかもしれない。
今は刑事でなくても、「適性があった」人間なら助けてもらえる可能性があるかもしれない。
龍治は必死になって考えたのだろう。

だから、指輪を傷つける「状況」を意図的に設定する必要があったのだ。
だが、その設定が破綻を生む原因にもなることには気づかなかったのだろう。
「どうだね、私が考えたことは間違っているかね」
答えるかわりに小さく鼻をすする音が聞こえた。
私はやはり人間関係がうまくない。
明日は寝起きが悪いだろう。
「龍治」
龍治は返事をしない。
「返事をするんだ」
「何……」
泣きはらした顔を龍治は投げた。
「人生で何が大切か分かるかね」
龍治は俯いたまま少し考えた。
「信じること」
「そう、それもある」
だが、私が考える大切なこととはそれだけではない。




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その一方で、さっきまでの落ち込みがウソのように元気になって、立ち直れることがありますよね。
人は、どんなきっかけで元気になれるのでしょうか。
普段、気にもとめないような「元気のみなもと」を追求していけば、元気になれそうな気がしませんか。

元気になるには、人それぞれのコツがあるのです。
みんなの「元気になるコツ」をみんなが知ることができたら、へこんだ時でも元気なれそうな気がしませんか。
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