2006年06月23日

I'm here(アイム ヒア)022

雑談交じりの会話だったか。
明るい談笑の一コマか。
いずれにせよ分からない。
だが、龍治は考えた。
「元刑事」のホームレスなら力になってくれるかもしれない。
龍治はどうして良いか分からなかったが、自分の家族に忍び寄る影に自分ができることを必死に考えたのかもしれない。
自分たちの力になれる人間は、悪と戦える度胸と知力がなければダメだと……。
いずれにせよ、小学生の頭で必死に考えたのだ。
頼りになる人物かを見極めるためにウソの作り話まででっち上げたのだ。
私は、そんな龍治が私にたどり着くまでの胸中を察するとこみ上げてくるものを感じた。

「元刑事ですか」
矢崎は苦笑した。
「河に上がった組員と相沢はどうやって結び付けたんです?」
「龍治に請われて、私は偵察に行ったよ」
私は思い出しながら苦笑した。
アパート前のバンと工事車両の人間は、いかついヤクザ顔ではなかった。
龍治が見たのは張り込みの警察官ではないのだ。
恐らく、相沢は自宅付近に張る捜査車両に敏感に気づいたに違いない。
暴力団関係者との連絡を一時的に絶ったか、控えた。
相沢と連絡が取れなくなった組関係者が様子を窺いにうろついたのだろう。
龍治が見た不審者は彼らだったに違いない。
そもそも張り込みの車両が小学生の子供に見破られるようでは失格である。
龍治と私は別々のターゲットを「不審者」として見ていたのだ。

「結びつける根拠はなかった。だが、暴力団相手となれば、警察もそれなりの部署のしかるべき役職の人間だと推測しただけだ」
「相沢が警察官だと知っていたのですか」
私は少し間をあけた。
「龍治がそう言った」
「ウソだとは思わなかったのですか」
「私が偵察に行ったのは、状況を把握するためだった。その段階では龍治の言うことがウソか本当かは重要ではなかったんだよ」
「家宅捜索の現場に居合わせたのは偶然ですか」
「結果的にグッドタイミングだったのは偶然だ。だが監視車両が引き上げたのは逮捕状が取れたからだと確信した」




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私たちは、日常のちょっとしたことが原因で、落ち込んだり悲しくなったりします。
その一方で、さっきまでの落ち込みがウソのように元気になって、立ち直れることがありますよね。
人は、どんなきっかけで元気になれるのでしょうか。
普段、気にもとめないような「元気のみなもと」を追求していけば、元気になれそうな気がしませんか。

元気になるには、人それぞれのコツがあるのです。
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