2006年06月26日

I'm here(アイム ヒア)024

機器としての精度も際立っているワケではない。
むしろレーザーの照射と受光角度の設定が難しい。
だがそれでも盗聴する必要があったのだ。
電話や携帯の盗聴は可能だが、本人が用心して使わなければ意味がない。
残る室内盗聴は、自宅への侵入が不可欠である。
だが、相手は現職の警察官なのだ。そうそう簡単に盗聴はできない。
残る選択肢がレーザーモニターだったのだろう。
つまり、よほど大きな事件が背後にあると言えるのだ。

加えて、新聞やテレビ、ネットでの報道でも警察の動きが妙に伝わってこない。
かん口令か報道規制されてえいるとしか考えられなかった。
ヒントは事件を追っている記者が公開しているブログだった。
この記者が本庁4課の関連を疑っていたのだ。
そこまでの情報があれば、私も元は業界の人間である。
推測の域は出ないが、ある程度の構図は分かるのだ。
「ブログをどうやって読んだのです?」
「簡単さ。家電量販店には大抵、ネットに繋がる端末がおいてあるからね」
「あのプロバイダ勧誘用のやつですか」
「そうさ」
「よく使わせてくれましたね」
私は矢崎を睨んだ。
「あいや、失礼」
「勝手に使ったって、法律には触れんだろう。確かに私は客ではないが」
「いやがりませんか」
「彼らは私には近寄ってこんよ。こんな風体の男にはね」
気分の方はだいぶ良くなっていた。
矢崎はため息をついた。
「桐生さん、お手数を取らせました」
「龍治のことは約束してくれるな」
「期待に添えるよう努力します」
「ダメだ。そんな答えは答えになっていない」
矢崎は神妙に頷いてドアを開けてくれた。


私は渋谷駅前にあるスクランブル交差点に立っていた。
アスファルトの重い蓄熱が革靴を通して伝わってきそうだった。
シャツ越しのスーツの感覚がようやく元に戻ったような感じだった。
正面に信号待ちの母子が立っていた。
見慣れたサッカーチームのTシャツと帽子をかぶった少年が母親と並んで立っていた。

母親と少年に私は面識があった。
少年は相沢龍治とだった。




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私たちは、日常のちょっとしたことが原因で、落ち込んだり悲しくなったりします。
その一方で、さっきまでの落ち込みがウソのように元気になって、立ち直れることがありますよね。
人は、どんなきっかけで元気になれるのでしょうか。
普段、気にもとめないような「元気のみなもと」を追求していけば、元気になれそうな気がしませんか。

元気になるには、人それぞれのコツがあるのです。
みんなの「元気になるコツ」をみんなが知ることができたら、へこんだ時でも元気なれそうな気がしませんか。
1%の元気しかなくても「元気のコツ」を使って100個の元気を集めたら、元気100%になれるでしょう。

縁あってこのサイトを訪問して下さった皆様が元気になれますように、そうして私自身が元気になるために、「元気になるコツ」をご紹介していきます。
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