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■もう一度、一からやり直したいが自信がない……

もう10年以上前に読んだ本で、今でも気に入っているのが作家の橋本治さんが書いた「青空人生相談所ちくま文庫」です。
出版されたのは1987年頃だったと思います。
「だったと思う」と言うのは、すごくためになった本だったので、同僚や後輩から相談を受けたり、伸び悩んでいる友人に貸しているうちに紛失してしまったのです。
貸したっきり戻ってこなかった幻の本なのです。

てっきり絶版になっていたと思っていたのですがアマゾンではまだ在庫がありました。
この本は、廃刊になった雑誌スコラの人生相談に寄せられたものを作家の橋本治が回答したものを、出版にあたり編集しなおしたものだったと思います。

10代から50代までの悩みを整理して、年代別の悩みが分かりやすくなっています。
今でも思うのは、時代が変わっても人間の本質である悩みは、変わらないということです。
社会環境は、今と20年前では激変していますが、人間であるが故の悩みは基本的に同じなんですね。
だから今でも、売られているのだと思います。

私が今でも印象に残っているのは、50代になって事業を始めたいと言う男性の悩みでした。
本が手元になく、かなり曖昧になっているのですが悩みの本質が「もう年なのでやり直しがきかない」と言うようなことでした。
橋本さんの回答はハッキリしていて「どんな時でも、決めたことに遅いと言うことはない」と明快だったことです。
「遅いと思うのはまだ迷いがあるから。決断していない証拠」としていました。

この本で学んだのは、人間は時として悩みの本質とは別のところで悩んでいることが多いと言うことです。
本質とは別の悩みとは、簡単に言えば問題のスリ替えだったりイイ訳だったりです。

この男性の悩みで言えば「50才」と「遅い」との関連ですね。
どうして「遅い」と思うのか、と言うことです。
「遅い」と思う時点で、もう諦めていることに相談者は気付いていないのです。
諦めている人に何を諭しても意味がないのですが、橋本さんは時に厳しく、ときに労わり回答しているのです。

自分の夢を叶えるという対極に位置するのが、この本に書かれている悩み達だったりします。
自分の夢を叶えるには挫折しそうになることもあるでしょう。
そんな時に、この本を読めば自分の悩みなど大したことがない、と思えるようになります。
この本は、そんなことを気付かせてくれると同時に勇気を与えてくれます。


書籍名:青空人生相談所ちくま文庫
著者:橋本 治
出版社:筑摩書房
ISBN:4480021876
価格:¥714(税込)
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